障害年金の手引 > 障害年金の様々な問題

欠陥もかかえている現制度


 障害年金は、そもそも制度の仕組がむずかしすぎるという問題があります。

 どうしてこのような事態に陥っているかについては、次のような事情があるためです。

  1. 障害認定の基準や審査の方法が外部からわかりづらく、どの程度の障害であれば年金が受けられるか、その予想がしにくいこと。

  2. これまでに法改正が頻繁に行われているために、実際には、ネットで目にする法律の原則だけでなく、複数の経過措置や通達まで知らなければ、専門家も判断を誤るほどの複雑な仕組みになっていること。

  3. 「基礎年金制度」が導入され、さらに共済組合が厚生年金保険に統合されて、構造的には公的年金は統一されたにもかかわらず、厚生年金保険と国民年金の間で、障害の認定が異なるなど法律と実際の運用面ではズレがあること。

    例えば、国民年金では日常生活能力で障害の認定が行われるのに対して、厚生年金保険では労働能力で認定される点があげられます。

    このため、国民年金では2級に認定されるほどの障害が厚生年金保険では3級にしか認定されない、という話をよく聞きます。

  4. 社会保障制度としての年金、特に障害年金は、社会的ハンディキャップも含めて評価するのが本来の姿であるはずにもかかわらず、評価の中心が医学的レベルでの障害にとどまっていること。

    例えば、知的障害の場合、たとえIQが50〜70であっても、日常生活に支障があれば障害認定の対象となるにもかかわらず「IQが50以上ならば障害基礎年金の対象にならない」とか「共同作業所で働いていれば労働能力や日常生活能力はあるはずだ」と窓口で言われ、障害年金の申請用紙の交付も拒否さるという例もあります。

 以上のような事情に加えて行政側(市区町村の国民年金課や年金事務所)の窓口(担当職員)にも様々な問題があります。

 年金相談について十分な研修がなされていないようであり、障害年金を生活保護のような国の恩恵的な給付と勘違いをしている職員も少なくありません。

 相談の場所も面接室がなくて声が周囲に聞こえるなど、個人のプライバシーに対する配慮も欠けています。

 こうした状況のもとで、障害年金の相談に行ったら、頭から「その程度では支給しない」と言われたとか、「その程度でもらうのはむずかしい」と親身に取り上げてもらえなかったという話を耳にします。

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