02■日本年金機構の審査の実態

誤った認定基準を適用して審査した実例


 Tさんは、障害の状態が1級にも2級にも該当していないという理由で、年金の支給停止が解除されませんでした。

 ところで、Tさんの障害の原因となった傷病名は「全身性エリテマトーデス」ですが、この傷病は「難病」に指定されています。

 したがって,Tさんの障害の状態や程度を判断する場合の認定基準は、「難病」について規定している第1章第18節「その他の疾患による障害」の認定要領を適用しなければなりません。

「難病」についての認定方法は「その他の疾患による障害」の認定要領に明記されている

 いわゆる難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、発病は緩徐 であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、その認定に当たっては、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定 するものとする。  なお、厚生労働省研究班や関係学会で定めた診断基準、治療基準があり、それに該 当するものは、病状の経過、治療効果等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況 等を把握して、総合的に認定する。

 そして、Tさん障害の状態を「その他の疾患による障害」の認定要領を適用して判断した場合、Tさんは明らかに2級の程度に該当します。

 そこで、審査請求(不服申立)を行う前の確認として、当事務所は保険者(日本年金機構)に対して、Tさんの障害の状態が2級にも該当しないと判断した根拠・理由を照会しました。

 しかし、上記照会到達の日の翌日から起算して1週間以内の回答を求めたにもかかわらず、2週間以上経過しても回答がなかったため,日本年金機構に対して回答の催告を行いました。

 その結果、日本年金機構は,Tさんの障害について認定基準の第14節「血液・造血器疾患による障害」を適用した結果、「血液検査成績が認定基準の異常値の範囲内ではないため」と、唖然・愕然とさせるを回答をしてきました!

全身性エリテマトーデスに対して無関係な「血液・造血器疾患による障害」の基準を適用と回答書で明言

間違った認定基準を適用

 「難病」である「全身性エリテマトーデス」に対して「血液・造血器疾患による障害」の基準を適用したことは、明らかに誤りであるばかりか、障害者の方々の生活を左右する審査を認定基準のイロハもよくわかっていない者が担当している実態が露呈したことになります。

 これは大変ゆゆしき問題です!!

 そもそもTさんの障害に対して「血液・造血器疾患による障害」の基準で判断をしたこと自体が間違っているわけですから、「血液検査成績が異常値の範囲内ではない」ことは2級非該当の根拠として失当であり、「苦し紛れの言い訳」も甚だしいというものです。

 

F研マーク > 障害年金の手引 > 日本年金機構の審査の実態 > 戻る