障害年金の不支給や障害等級の処分についての不満は、まず社会保険審査官(以下「審査官」)に不服を申し立てますが、これを「審査請求」といい、いわば不服申立における第一審です。
審査請求には期限が設けられおり、普通は通知書を受けとった翌日から60日以内となっています。
手続書類(審査請求書)は、電話で審査官に連絡をすれば、基本的に送付されますが、その際に審査請求を行う意志も口頭で伝えておけば、書類の提出は60日を過ぎてからでも大丈夫です。
審査官は都道府県の社会保険事務局に最低2名はいますが、制度自体は「独任制」といって、それぞれが事件を一人で審理、決定しており、しかも審査官自身はまだ席が行政側にあるため、まず公正な審理は期待できないのが実状であり、専門家(ごく少数の社会保険労務士)以外の者が審査請求で原処分をひっくり返すのは難しいといえます。
シドニーオリンピック男子柔道の決勝で、篠原選手が審判から誤った判定を受けた時に、日本中が怒りに震えて、テレビ解説者が「こういう人には審判になってもらいたくない」と言っていたのは、まだ記憶に新しいと思います。
また、その後の箱根駅伝で、審判が初歩的なミスを犯したとき、やはり野球解説者の張本勲氏が「こういう人間に審判をやってもらいたくない」と言っておりました。
しかしながら、上記の大きな非難を浴びた二人の審判の場合、その過失はけっして「故意」によるものではありませんでした。
それに比べて、審査官は「審査請求人を犠牲にしてでも、役人としての我が身の安泰が第一!」との感覚で、正義に反する決定を十分承知のうえでやっているのです。
人間だれしも自分がいちばんカワイイわけですが、しかし、その私情を審査官が中立・公平であるべき職務の中で行使しているのは弾劾されるべき問題といえます。