下記の「肢体の障害」における程度の比較表をご覧ください。
右側は、当事務所が代理人となり、京都の社会保険審査官(以下「審査官」)に対して、2級を認めるように審査請求を行った結果、棄却されたの方の状態です。
左側は、「肢体の障害」の認定基準(認定要領)において、2級に該当すると明記されているものです。
説明するまでもなく、審査請求人は明かに2級の基準をクリアしています。
審査官制度の目的は簡易迅速な手続による被保険者の権利利益を図ることにありますが、下記の審査については、たとえ専門的な知識がなくとも常識的な判断力があれば1秒で、どんなに遅くとも、法律で定められた60日以内には結論が出せるはずです。
しかしながら、この事件について京都の審査官は273日目にして、やっと決定を行いました。
| 2 級 認 定 要 領 | 審 査 請 求 人 | ||
|---|---|---|---|
| 股関節 | 屈曲 | 62.5°以下/筋力半減以下 | 15.0°/筋力著減又は消失 |
| 伸展 | 7.5°以下/筋力半減以下 | 5.0°/筋力著減又は消失 | |
| 内転 | 10.0°以下/筋力半減以下 | 10.0°/筋力著減又は消失 | |
| 外転 | 22.5°以下/筋力半減以下 | 7.0°/筋力著減又は消失 | |
| 膝関節 | 屈曲 | 65.0°以下/筋力半減以下 | 45.0°/筋力著減又は消失 |
| 伸展 | 0.0°以下/筋力半減以下 | 0.0°/筋力著減又は消失 |
請求人の裁定請求日における障害の状態は、股関節、膝関節、足関節の3関節に機能障害が認められるものの、日常動作の障害程度は
このようにみてくると、請求人の当該傷病による障害の状態は裁定請求日においては、「身体の機能の障害又は、長期にわたる安静を必要とする症状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活が著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(2級)」に該当すると認ることはできない。
まず本件の最大の争点は、何と言っても、当方が提起・主張している「肢体の障害」の認定基準(認定要領)を明らかにクリアしているということです。
しかし、この重大な点について審査官はひと言も触れておりません。
この姿勢から、審査官が明らかに棄却を前提に処理していることがハッキリわかります。
審査官は、審査請求人が提起・主張していることに対しては、明確な判断を示さねばなりません。
本件の審査官はこの通達を守っておりません!
したがって本件は明らかに不当な審査です!!
次に上記第1パラグラフは【第4・肢体の機能の障害】で審査をおこなった説明です。
つまり【第2・下肢の障害】で審査すべきことを知りながら、敢えて【第4・肢体の機能の障害】で審査したということになります。
ここからも、審査官が結論を棄却に導こうとした姿勢が読み取れます。
ちょうど『社会保険審査官の実態[1]』で紹介した悪辣な審査と逆パターンとなります。
百歩譲って【第4・肢体の機能の障害】の適用を甘んじて受けたとしても請求人は明らかに2級に該当しています。
第2パラグラフの「身体の機能の障害又は、長期にわたる安静を必要とする症状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活が著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(2級)」といういわゆる包括条項は認定基準(認定要領)に定めがない等、特別な場合に適用されるものです。
本件の場合、認定要領が明確に定められているため、曖昧な包括条項を適用する必要はまったくありません!
以上から273日もの間、棄却のための理由探しを試みたにもかかわらず、適当な理由が見つからなかったために、不当な認定要領と認定基準を当てはめ、強引に棄却したということがよくわかります。
公正・中立・正義に基づいた審査の形跡など微塵も見受けられません!! 「初めに棄却ありき」の姿勢で処理された典型的な例です。
本件は氷山の一角にすぎません!!
昔からこのようなことが全国で行われており、大勢の障害者の方々が泣き寝入りを強いられてきました。
絶えず生活の不安に見舞われている障害者の方の切実な訴えに対して初めから棄却をもって臨む者など審査官の職には不適格ではないでしょうか!
専門家が不服を正当に主張しても、かくのごとく理不尽な棄却をおこなう事実から、これまでに本件の審査官によって一体どれだけの数の障害者の方々が泣かされてきたことでしょう?!
当ホームページは現在、障害年金専門のサイトとして1カ月間に4万件以上のアクセス数を有するため、1年後には審査官の実態を知る人々は、現在よりも約50万人も増加していることになります。
したがって、世間から痛烈な風当たりを受けている今日の郵便局のように、いずれは審査官にも全国の障害者及び障害者団体から厳しい視線が注がれることでしょう。