Yさんは、いわゆる「血友病」が原因で労働に支障をきたすようになったため、厚生年金保険で障害年金を申請しました。
Yさんは書類を提出する前に、ご自分で診断書をチェックし、自分の症状が3級の状態をクリアしていることを確認しました。
ところが結果は、3級の状態に該当していないということで不支給でした。
なぜ、このような結果になってしまったのでしょうか?
Yさんは診断書をコピーして持っていましたので、私も丹念に調べてみましたが、私の判定でもデータは十分に3級の基準をクリアしていました。
しばらくして、ふと傷病名の欄に目を向けた時に「障害の原因となった傷病名:血友病A」「傷病の原因又は誘因:第8因子欠乏症」という文字を見てハッとしました!
当HPで説明していますように、審査は役人が行います。
そして彼等は、医師ではなく素人ですから、マニュアル(国民年金・厚生年金保険障害認定基準の説明)に基づいて審査を行います。
Yさんは血友病ですから、上記マニュアルでは「血液・造血器疾患による障害」というページに載っている傷病名とその基準値で障害の状態を審査されることになります。
ところが上記マニュアルには「血友病A」という傷病名は載ってないのです!
上記マニュアルにおいて、Yさんに該当する傷病名は出血傾向群の「凝固因子欠乏症」で、この傷病名の欄でチェックしますと、Yさんは確かに3級の基準をクリアしているのです。
が、他の傷病名でチェックした場合、クリアしていない個所があったのです!
「傷病の原因又は誘因」の「第8因子欠乏症」とは「凝固因子欠乏症」のことなのですが、審査を担当した役人にはこのことがわからなかったために、Yさんは誤った審査をされてしまったわけです。
つまりYさんは診断書の作成に際して、主治医に「血友病A」という傷病名の横にカッコ書きで凝固因子欠乏症と付け足して書いてもらえばよかったのです。
審査をするのは医師ではなく、素人の役人ですから、診断書は役人が見てもわかるように作成する必要があります。
障害年金の申請では、役人から誤って審査されることも想定し、このような細かな点にも配慮しなければならない場合が多々あるのですが、こうしたことは一般の方には想像もつかないことでしょう。
しかしYさんの場合、この紙一重の違いが運命の分かれ道であったわけです。
当事務所が代理人となった場合は、もちろん適時このようなアドバイスもいたします。
また役所の部署には、年2回人事異動があるのですが、不幸にして新米の役人に当たった場合でも、その被害を最小限にとどめるため、人事異動の月を避けて申請を行います。
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障害年金の手引