平成18年(厚)第402号
平成19年4月27日裁決

主文
社会保険庁長官が、平成○年○月○日付で、C(同年○月○日死亡。以下「亡C」という。)に対し、同人が受給権を有していた障害基礎年金及び障害厚生年金(以下、併せて「障害給付」という。)の額の改定をしないとした処分を取り消す。

理由

第1 再審査請求の趣旨

再審査請求承継人(以下「承継人」という。)の再審査請求の趣旨は、主文と同旨の裁決を求めるということである。

第2 再審査請求の経過
1 亡Cは、慢性腎不全(以下「A傷病」という。)により障害の状態にあるとして、平成○年○月○日を受給権発生日とする、障害等級2級の障害給付の受給権を有する者であったところ、障害の程度が増進したとして、平成○年○月○日(受付)、社会保険庁長官に対し、障害給付の額の改定を請求した(以下、同日を「額改定請求日」という。)。
2 社会保険庁長官は、亡Cが額改定請求書に添付して提出した診断書を診査した結果、同人のA傷病による障害の状態は、引続き従前の障害の程度(2級)に該当するとして、平成○年○月○日付で、同人に対し、障害給付の額の改定をしない旨の処分(以下「原処分」という。)をした。
3 亡Cは、原処分を不服とし、平成○年○月○日(受付)、○○社会保険事務局社会保険審査官(以下「審査官」という。)に対し審査請求をしたが、同年○月○日に死亡し、同人の妻D(承継人)が同審査請求を承継した。審査官は、同年○月○日付で同審査請求を棄却する旨の決定をした。
4 承継人は、なおこの決定を不服として、平成○年○月○日(受付)、当審査会に対し再審査請求をした。

第3 問題点
本件の場合、亡Cは、かねてA傷病に罹患していたところ、閉塞性動脈硬化症、左足壊疽(以下、併せて「B傷病」という。)を発症し、A傷病及びB傷病による障害の状態が、障害等級1級に該当するとして、本件額改定請求をしたところ、社会保険庁長官は、B傷病はA傷病に起因する疾病とは認められないとして原処分を行ったものであるから、本件の問題点は、まずB傷病がA傷病に起因する疾病と認められるかどうかということであり、それが肯定される場合は、さらに請求人の両傷病による、額改定請求日における障害の状態(以下「本件障害の状態」という。)が、障害等級1級に該当すると認められるかどうか、ということである。

第4 審査資料 「(略)」

第5 事実の認定及び判断
1 「略」
2 亡Cの主治医は、B傷病がA傷病に起因する疾病である旨認めており、この見解は、亡Cが昭和○年以来難治性の高血圧に罹患しているという下地があるところに、透析が長期にわたっているという本件固有の事情に基づく見解であると認められるのに対し、保険者の否定論は、単なる一般的確率論に過ぎず、本件の事実に即した反論になっていないのであるから、これを採用することはできない。そうすると、両傷病の間には相当因果関係があるというべきであり、両傷病による本件障害の状態は1級に該当するのであるから、原処分は妥当でなく、取り消さなければならない。

以上の理由によって、主文のとおり裁決す る。