社会保険審査会裁決選集〜眼の障害〜


 請求人は.当該傷病(右近視、左近視性乱視、左網膜黄斑変性の疑い)により、障害の状態にあるとして、障害給付の裁定を請求した。請求人の障害の状態をみると、その傷病は治らない状態であるが、視力、視野のいずれの点からも、2級はもとより3級にも該当しない。また、傷病が治っていないこと及び障害自体の程度からいって、障害手当金受給の要件も満たしていない。以上認定した事実によれば、請求人に対し、障害給付を不支給とした原処分は、結論において妥当。
(平成17年7月29日)

 請求人には視野障害等の障害は認められず、両眼の視力の和は矯正視力で0.14であり、国年令別表に該当しないため、障害基礎年金の支給を停止した原処分は妥当。
(平成17年9月30日)

 請求人の脳動静脈奇形、右同名半盲による障害の状態は、障害認定日において、眼の障害が障害手当金の障害の程度に、肢体の機能の障害については障害手当金の障害の程度にも達していないから、障害手当金を支給する旨の原処分は、妥当。
(平成16年8月31日裁決)

 請求人の右角膜混濁による平成15年現況届当時の障害の状態は、角膜潰瘍は再発の可能性があるとされ、純粋に医学的意味においては症状固定に至っていないことを意味するものとみる余地があるが、障害給付の観点からいえば、症状固定に達したものというべきであり、3級14号に該当しないとした原処分は、妥当。
(平成16年12月22日裁決)

 請求人の心因性視力障害について、症状固定により到来した障事認定日における障害の状態は、当該傷病による視力障害の状態は国年令別表に該当しないことは明らかであり、視力以外の複視(輻輳機能の障害)については厚年令別表第2にとどまるものであり、視力障害と併合して評価しても、国年令別表に掲げる程度の障害に当たるということはできないから、障害基礎年金支給しないという原処分は妥当。
(平成16年2月27日裁決)

 裁定請求日における請求人の両眼網膜色素変性による障害の状態は、視力障害及び視野障害の状態は、いずれも国年令別表に掲げる2級の程度に該当しないことは明らかであり、併合判定参考表にあてはめると視力障害は該当番号9号1に、視野障害の該当番号9号4に相当するので、併合番号は7号であり、これは厚年令別表第1に該当するので、原処分は妥当。
(平成16年3月31日)

 請求人の網膜色素変性症については、視力及び視野の状態は年々進行し視力は左右共に矯正で0.6であるものの、視野は左右共にI−2イソブターは反応なしで欠損率100%又は1度ぐらいとされているので、ほとんど全盲の状態にあり、また、日常生者も、一部手探り、感覚でやっている面もあるが、ほとんど介助なしには日常生活を送ることはできないのであるから、この状態は、1級9号に該当すると認めるのが相当であるので、障害基礎年金の額を改定しないとした原処分は、妥当でなく、取り消し。
(平成15年4月30日)

 請求人の(両)先天性網膜分離症による障害の状態は,矯正視力は左右ともに0.1であり,視野は2分の1以上欠損し,これを併合しても3級の程度に止まるため,支給停止とした原処分は妥当。
(平14.3.29)

 請求人の,視力障害(右)による障害の状態は,今後,原因疾患の再発や網膜剥離等余病の併発の可能性を残しており,視力も若干ではあるが変動しており,症状の安定,疾病の長期的固定性があると認めることは困難であり,したがって当該傷病は治癒の状態には至っていないと認めるのが相当と判断し,厚年令別表第1に定める3級の程度に該当しているため,障害厚生年金の支給を停止した原処分は妥当でなく取消。
(平13.5.31)

 請求人のベーチェット病,続発緑内障による障害の状態は,病歴からみて医学的に治癒していないことはもとより,安定性,長期にわたる固定性のある状態とは認められず別表第1に定める程度に該当するため,3級の障害厚生年金の支給を停止した原処分を取り消す。
(平13.8.31)

 請求人の網膜色素変性症による障害の状態は,認定基準によると2級にはあたらないが,請求人のように著しい視野障害と視力障害とが併存する眼の障害を有するものに対して認定基準を機械的適用し,視野障害を一律に障害程度の加重要素としないことは妥当性を欠き,障害等級2級に該当するものであり原処分は妥当でなく取消。
(平13.11.30)

 請求人の両眼角膜白斑,両眼末熟児網膜症等は,その性質からいってその病状が改善をみることはほとんど期待できないところである。また,ある程度長期的な展望に立って弾力的に判定をおこなう必要があり,本件現況届当時の障害の程度は1級に該当したものとみるのが相当であるため,2級に該当するとした原処分を取り消す。
(平13.7.31)

 請求人の障害の状態は1級に相当するものと判断し,2級に改定するとした原処分を取り消す。
(平13.3.30)

 請求人の両網膜色素変性症による障害の状態は,視力は右眼手動弁,左眼0.06でいずれも矯正不能であり,視野は右眼測定不能,左眼1〜2度でほとんど全盲の状態にあり1級に該当するのが相当である。よって,障害の程度が2級より増進しているため額改定しないとした原処分は妥当でなく取消し。
(平13.11.30)

 脳動静脈奇形による視野の障害の状態は,障害手当金に該当することから,3級の障害厚生年金には該当しない。
(平12.1.31)

 網膜性色素変性症,両眼視力障害及び視野狭窄による障害の状態は,厚年令別表第1の3級の程度ではなく,国年令別表の2級に該当する。
(平12.2.29)

 請求人の請求傷病の網膜色素変性症は,視野障害と視力障害が併存する眼の障害であるが,視野障害を障害程度の加重要素としないことは公的年金給付の趣旨に背馳する。このため,認定基準の包括的条項に照らし判断すると障害の状態は障害等級2級に該当。
(平11.6.30)

 請求人は,両網膜色素変性症により障害基礎年金を請求したが,保険者は国民年金法施行令別表に定める程度に該当しないとして不支給処分を行なった。しかしながら,保険者はその処分を取り消して,障害等級2級15号の障害基礎年金を支給する旨の決定をした。眼の障害に関する認定基準の定めは,包括条項の適用を想定していない。認定基準の明示の定めがない障害の種類につき包括条項を適用して給付の可否の認定を行なうことには慎重を期すべきことは当然であるけれども,包括条項に照らし判断する。請求人の日常生活(身の回り始末)が困難な状況にあることは,十分認められるが,部屋の中では,手すり,杖等を使用せずに自由に自力歩行が可能で,介助の必要はなく,またピンポイント的には視力が保たれていて名刺の判読ができていることから,1級9号の状態に該当しているとは認められず,とくに外出時や慣れない環境下での介助の必要性は認められることから,2級15号に該当すると認めるのが相すると認めるのが妥当である。
(平11.6.30)

 請求人は,両眼網膜色素変性症により障害の状態にあるとして障害基礎年金の裁定の請求をし,2級の障害基礎年金を支給する旨の処分を受けたが,請求人の障害の状態はほとんど全盲の状態にあり,日常生活が極めて困難であるため1級に該当する。
(平11.7.30)

 請求人は,平成4年6月から右眼緑内障及び角膜混濁による3級の障害厚生年金の支給を受けていたが,平成8年9月以降当該傷病が治っているとして,支給停止の処分を受けた。しかしながら,保険者のこの解釈は,厚年法第47条第1項の「その傷病が治った日」(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。以下同じ)を根拠としたものであり,厚年令別表第1第14号の「傷病が治らない」とは,「傷病が医学的に治らない」と解釈すべきで,本件における請求人の当該傷病が医学的に治っていないことは,明らかであると判断せざるを得ない。そうすると,原処分は妥当ではなく,取り消さなければならない。
(平10.6.30)

 請求人の左眼網膜剥離,右眼網膜変性による障害の状態は,症状の安定性,長期にわたる疾病の固定性や医療効果の期待が得られないこと等から,当該傷病は治っていると認められ,その状態は3級の程度に該当するとは認められない。
(平10.8.31)

 請求人の眼性疲労症,結膜炎,角膜上皮剥離には特別の所見が見当たらないとされているので,裁定請求日における障害の状態は,厚年令別表第1に該当しているとは認められず,仮に,請求人の請求傷病が厚年法第47条の2第2項で準用する第47条第1項ただし書きの要件を満たしていたとしても,原処分は結果として妥当である。
(平8.3.29)

 請求人の黄斑円孔による右眼の裸眼視力はほぼ一定の状態で推移しており,眼底所見も網膜の黄斑円孔は完成された状態にあると認められることから,傷病が治った状態に該当する。なお,矯正視力に若干の変動が認められるが,これは黄斑円孔とは関係のないものと考えられ,網膜剥離はおこした時点で当該傷病と別疾患として認定すべきである。したがって,厚年令別表第1の3級の程度に該当しないと判断され,原処分は妥当である。
(平7.12.22)

 請求人の障害認定日における左眼網膜剥離による障害の状態は,視力(強制)は右眼が1.2,左眼が0.8であり,調節機能及び輻輳機能は正常であり,まぶたの欠損なく,両眼の視野が10度以内のものにも該当しない。したがって,請求人の障害の状態は,国年令別表又は厚年令別表第1若しくは別表第2に定める程度に該当するとは認められない。
(平4.1.31)

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