社会保険審査会裁決選集〜呼吸器疾患〜


 請求人の裁定請求日におけるじん肺の疑い(呼吸不全及び両下肺野透過性減弱)による障害の状態は、病状判定ではX線写真区分がじん肺法の分類の第1型(両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が少数あり、かつ、じん肺による大陰影がないと認められるもの)であり、じん肺管理区分は2(X線写真の像が第1型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないもの)とされ、機能判定のための検査成績には異常が見られず、一般状態区分は「イ」である。これからすると、裁定請求日における請求人の当該傷病による障害の状態は、3級の例示に該当すると認めることは困難であり、もとよりこれより重い1級又は2級にも該当しない。そうすると請求人に対し、障害給付を不支給とした原処分は、妥当。
(平成17年2月28日)

 平成15年現況届提出時における請求人の当該傷病(両側多発性肺のう胞症)による障害の状態は、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものの状態にあるものとは認められない。そうすると、請求人に対し、障害基礎年金の支給を停止するとした原処分は、妥当。
(平成17年3月31日)

 平成15年現況届提出時における請求人の当該傷病(気管支拡張症、非結核性抗酸菌症)による障害の状態は、2級の例示に定める程度に該当すると認めることは困難であり、もとよりこれより重い1級にも該当しない。そうすると、請求人に対し、障害基礎年金の支給を停止するとした原処分は、妥当。
(平成17年3月31日)

 請求人の肺結核による現況届時の障害の状態は、国年令別表に該当しないので、障害基礎年金を支給停止するとした原処分は、妥当。
(平成17年4月28日)

 請求人の慢性気管支炎による障害の状態は、咳・痰等の自覚症状があり、他覚症状として栄養状態が中で、ラ音が一部あるとされているものの、動脈ガス分析値に異常は見られず、一般状態区分はイとされ、軽労作は可能とされており、他に資料等もないため、1級には該当せず、2級該当とした原処分は妥当。
(平成17年9月30日)

 請求人の平成15年現況届時の肺結核(左上葉肺切除)、慢性C型肝炎による障害の状態は、肺結核(左上葉肺切除)については、学会分類はWで、化学療法は行っていないとされ、慢性C型肝炎については、肝機能は正常化しているとされている。一般状態区分はいずれも「イ」で、現症時の日常生活活動能力及び労働能力は家事などの軽労働は可能とされていることから、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものの状態にあるものではないので、請求人に対し、障害基礎年金の支給を停止するとした原処分は、妥当。
(平成16年11月30日裁決)

 請求人の特発性同質性肺炎による障害の状態は、認定基準の1級の程度に該当していたと認められるため、2級の障害基礎年金及び障害厚生年金を支給するとした原処分は妥当でなく取消し。
(平成15年1月31日)

 請求人の慢性気管支炎による障害の状態は,発病・初診当初から自覚症状のみが顕著であるのに対して,客観的な医学的所見に乏しく,裁定請求日において厚年令別表第1に定める3級に該当するとは認められないため,不支給とした原処分は妥当。
(平14.1.31)

 請求人の障害の状態は,前回認定時より明らかに軽快していると認められ障害等級3級に該当していたが,2級には該当しないとする原処分は妥当。
(平13.3.30)

 請求人の強皮症による肺線維症及び肺高血圧症については,住居内活動の範囲としては茶の間での食事,用便以外はほとんど奥のベッドに居るとされており国年令別表に定める1級に該当すると認めるのが相当であることから,原処分は妥当ではなく,取消。
(平13.5.31)

 請求人の肺結核後遺症による障害の状態は,国年令別表に定める2級の程度に該当している。このため,支給停止の解除をしないとした原処分は妥当ではなく取消。
(平12.5.31)

 請求人の裁定請求日における肺結核による障害の程度は,肺結核そのものについては自覚症状として咳,痰,ぜんめいが有り,胸部X線所見は学会分類の病型4,病巣の拡がり3とされている。しかし,昭和48年排菌があったがその後は認められないし,一般抗生物質は使用されているものの,結核に対する化学療法は施行されていない。また肺結核による肺機能障害については活動能力の程度は「ア・階段を人並みの速さで登れないが,ゆっくりなら登れる。」とされているが予測肺活量1秒率,動脈ガス分析の結果も正常値の範囲に有る。以上を総合すると国年令別表及び厚年令別表第1に該当すると認めるのは困難である。
(平8.7.31)

 請求人の肺結核は,病型rIV3とされ,平成2年10月から排菌がなく化学療法も施行されていないので,3級の障害の程度に至っていない。また,肺機能障害は,活動能力の程度がイに該当し,予測肺活量1秒率が40%を大幅に超え,動脈血ガス分析値に軽度の異常を認める程度の障害の状態であり,3級の例示に該当するが,2級の例示には該当しない。よって請求人の障害の状態を3級とした原処分は妥当なものである。
(平6.10.31)

 請求人の気管支喘息による障害の状態は,活動能力の程度は「階段を人並みの速さで登れないが,ゆっくりなら登れる」程度であり,予測肺活量1秒率は84.96%であるものの,動脈血酸素がす分析値が75.0で軽度の異常であること,病状の経過,今後共,治療を継続する必要があること等を総合すると3級に相当すると認められる。
(平5.9.30)

 請求人の両則肺腫瘍による障害の状態は,活動能力の程度は「人並みの速さで歩くと息苦しくなるが,ゆっくりなら歩けるとされているものの予測肺活量一秒率は59.2%(ボールドウィン肺活量予測式)となっており3級の程度に該当するものとは認められない。2段昇降試験については肺活量が59%以上あるのでその必要を認めない。したがって,3級の程度に該当しないので,それ以上重度の1級,2級には該当しない。
(平3.3.29)

 じん肺による障害認定日の障害の状態は,じん肺法X線写真像区分はPR1/2esであり,動脈血ガス分析値も正常である。したがって旧厚年法別表第1に定める程度に該当しない。また,裁定請求日の障害の状態はX線写真像の区分は第3型に達せず,予測肺活量1秒率は50%程度であり動脈血ガス分析値も正常の範囲である。したがって国年令別表及び厚年令別表第1に定める程度に該当しない。
(平3.5.31)

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