社会保険審査会裁決選集〜糖尿病〜


 本件現況届当時における請求人の当該傷病(糖尿病)による障害の状態を認定基準に照らしてみると、当該傷病自体はインシュリン使用に至っていないことから認定の対象とならず、また、その合併症(糖尿病性網膜症及び糖尿病性神経障害)は、3級の例示に該当しないものであることは明らかである。したがって、平成15年現況届当時における請求人の当該傷病の障害の状態は、厚年令別表第1に掲げる3級に該当すると認めることはできない。そうすると、請求人に対し、障害厚生年金の支給を停止するとした原処分は、妥当。
(平成17年5月31日)

 請求人の当該傷病(糖尿病)の障害の状態を認定基準に照らしてみると、先ず、障害認定日頃であるが、HbA1cが6 2%、空腹時血糖値が210mg/dlとされ、多少の手足の疲れ感があるところ、治療状況は、食事療法のみであってインシュリンを使用していないことから、認定基準の3級の例示の程度に至っていないことは明らかである。次に、裁定請求日頃であるが、請求人は、当該傷病の合併症として末梢神経障害が認められるところ、手指と足趾に痺れ感がある程度とされており、これは、認定の対象にならないものと判断できる。しかしながら、請求人は、インシュリンを使用してもなお、HbA1cが12 5%、空腹時血糖値が342mg/dlとされていることから、血糖のコントロ-ルが不良なものと判断され、この障害の状態は、認定基準の3級の程度に該当するものである。そうすると、請求人に対し、障害認定日における当該傷病による障害の状態は、厚年令別表第1に定める障害の程度に該当しないが、裁定請求日における障害の状態は、障害等級3級に該当するとして平成15年12月から障害厚生年金を支給するとした原処分は、妥当。
(平成17年5月31日)

 認定基準の定めるところによって亡B子の障害の状態をみると、糖尿病については、空腹時血糖値は良好であるが、HbA1c及び尿中微量アルブミンの値について見ると血糖のコントロールはインスリン治療にもかかわらず不良というべきであるから、3級に該当する。次に、糖尿病性腎症については、検査値に異常を示すものはなく、かつ、一般状態はアであるから、3級に該当しない。そうすると、結局、亡B子の障害の状態は3級の程度ということになり、国年令に掲げる程度には達していない。そうすると、亡B子に対し障害基礎年金の支給を停止するとした原処分は、妥当。この結果、原処分につき取消事由があったことを前提とする請求人の本件未支給年金請求も理由がないことになるので本件再審査請求を棄却。
(平成17年5月31日)

 請求人は、平成9年6月20日に当該傷病(T型糖尿病)と診断されてから、1日4回のインスリン注射を続行中で、血糖の変動が非常に大きいとされているところ、障害認定日頃のHbA1cは5.5%〜6.1%とコントロールされており、一般状態区分は「イ」で、現在糖尿病の症状はないとされ、予後につき網膜症等の合併症が起こる可能性があるとされているものの、眼底所見には異常が見られないとされている。これからすると、請求人の20歳到達時における当該傷病による障害の状態は、国年令別表に定める2級の程度に該当すると認めることは困難であり、もとよりこれより重い1級にも該当しない。そうすると、請求人に対し、障害基礎年金を不支給とした原処分は、妥当。
(平成17年5月31日)

 請求人のインスリン依存型糖尿病による障害の状態は、HbA1cが8%未満で推移しているため3級の例示に該当せず、当該傷病の合併症としての糖尿病性精神障害については、自律神経失調症及びアキレス健反射消失が認められ、この状態が長期間持続していると推察されるため、3級に該当し、2級には該当せず、原処分は妥当。
(平成17年10月31日)

 額改定請求時における糖尿病による障害の状態は、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものと認めることはできず、また、糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症については、認定基準に掲げられた状態までには至っていないから、請求人に対し、なお、従前の3級の程度に該当するとして、障害基礎年金の支給及び障害厚生年金の額の改定をしないとした原処分は、妥当。
(平成16年7月30日裁決)

 請求人の逆流性食道炎及び食道潰癌については診断書上完治しているとされているので、本件の対象傷病とはなっておらず、糖尿病については、国年令別表に定める2級の程度に該当すると認めることはできないので、障害基礎年金を支給しないとした原処分は、妥当。
(平成16年4月30日裁決)

 請求人の糖尿病による障害の状態は、障害認定日において、厚年令別表第1の3級14号に該当するとは認められず、また、裁定請求日において、国年令別表に定める等級に該当するとは認められない。そうすると、裁定請求日における当該傷病による障害の状態は、厚年令別表第1に定める程度に該当するとして3級の障害厚生年金を支給するとした原処分は、妥当。
(平成15年10月31日)

 請求人のインスリン依存型糖尿病については,20歳到達日時点及び裁定請求日における障害の状態は,いずれも「日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」の状況にあると認めることは困難であり,障害基礎年金を支給しないとした原処分は妥当。
(平14.5.31)

 請求人の状態は,自覚症状は認められず臨床所見も正常であり,日常生活が著しい制限を受けているとは認められないため,原処分は妥当。
(平12.7.31)

 請求人の,糖尿病による障害の状態は,ほぼ良好にコントロールされており視力の改善が認められる。また,脳出血(左片麻痺)による障害の状態は左の上肢及び下肢に「機能に相当程度の障害を残すもの」とは認められないことから,現況届に添付された診断書により障害基礎年金の支給を停止し障害厚生年金の額を改定した処分は妥当。
(平11.3.31)

 請求人は,若年性糖尿病により障害の状態にあるとして障害基礎年金の裁定を請求したが,20歳到達日において障害を有するものと認めるが障害等級が2級に該当しているとは認められない。
(平11.9.30)

 請求人の糖尿病による障害の状態は,左右とも矯正視力0.3で白内障はS―3,眼底出血(−)で,糖尿病性網膜症は見られない。また,浮腫は有するとされているものの腎疾患の症状は全くなく,上下肢振動障害,知覚障害は有であるが,糖尿病性神経障害に該当する症状は見られず,週2回通院で薬物療法は行なっているが,インシュリン注射は行なっておらず,一般の家庭生活をすることも十分可能であり,総合すると2級と認められない。
(平3.3.29)

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