平成18年社会保険審査会裁決選集(容認)

■厚生年金保険

[障害の程度]

平成18年(厚)第6号
両変形性股関節症
現況届提出時の請求人の左下肢麻痺による障害の状態は厚年令別表第1に掲げる程度に該当するから、該当しないとして障害厚生年金の支給を停止するとした原処分は、取り消し。 (平成18年2月28日裁決 静岡)

平成16年(厚)第280号
脳梗塞による左片麻痺
障害認定日当時における請求人の脳梗塞による障害の状態は、「併合(加重)認定表」にあてはめると、7号と8号で併合番号は7号となり、厚年令別表1に掲げる程度に該当するから、障害手当金を支給しないとした原処分は取り消し。 (平成18年6月30日裁決 千葉)

平成17年(厚)第160号
両高度変性近視、両網膜剥離術後
額改定請求日における請求人の「両高度変性近視、両網膜剥離術後」の障害の状態は、両眼の視野が5度以内であり、旧厚年法別表第1の2級に該当するから、障害年金の額の改の改定をしないとした現処分は取消し。 (平成18年7月31日裁決 奈良)

[その他]

平成18年(厚)第205号
慢性腎不全
請求人が障害給付の事後重症請求をしたのは、平成16年11月14日であるが、この事事重症請求の遅れは、保険者の注意義務違反から生じたのであるから、平成10年8月中に、事後重症請求による、当該傷病に係る障害給付の裁決請求をしたとし、現処分は取り消し。 (平成18年5月31日裁決 埼玉)


■国民年金

[支給要件]

平成16年(国)第180号
脳幹障害、遷延性意識障害
試用期間中でも組合員から排除される謂れはないので、請求人は、本来、農林漁業団体職員共済組合員資格を取得し、保険料納付要件が満たされることになり、同人の「脳幹傷害、遷延性意識障害」による障害の状態は、国年令別表に定める障害等級1級に該当する程度であることは明らかであるから、障害基礎年金を支給しないとした原処分は取り消し。 (平成18年1月31日裁決 富山)

[障害の程度]

平成16年(国)第279号
右眼緑内障・視神経萎縮
額改定請求当時における請求人の右眼緑内障・視神経萎縮当該傷病による障害の状態は、2級に相当する「両眼の視野が5度以内のもの」より明らかに憎悪している状態にあると認められ、日常生活の状態も、ほとんど介助なしには日常生活を送ることはできないのであるから、この状態は、「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」に該当すると認めるのが相当であるから、原処分は取り消さなければならない。 (平成18年3月31日裁決 奈良)

平成17年(国)第11号
精神遅滞
20歳到達時における請求人の精神遅滞による障害の状認は、国年令別表に定める1級の程度に該当すると認めることができるため、請求人に対し、障害等級2級の障害基礎年金を支給するとした原処分は取り消し。 (平成18年3月31日裁決 京都)

平成17年(国)第123号
知的障害
請求人の20歳到達時頃における知的障害による障害の状態は、知的障害のみでは上記認定基準の2級の例示に該当しないが、それと自閉症的要素による障害の状態とを併せて社会的な適応性の程度によって判断するならば、当該傷病による障害の状態は、全体として国年令別表に定める障害等級2級の程度に該当すると認めるのが相当であるため、国民年金法施行令別表に掲げる障害の程度に該当しないとして、障害基礎年金の支給をしないとした原処分は取り消し。 (平成18年5月31日裁決 大分)

平成17年(国)第277号
精神発達遅滞
請求人の障害の状態は、20歳到達日(障害認定日)当時において国年令別表に定める2級の程度に該当する障害の状態であったと認められるので、請求人がその当時障害基礎年金を受給することができる障害の状態になかったことを前提としてなされた原処分は妥当でなく、取り消さなければならない。 (平成18年7月31日裁決 静岡)

平成18年(国)第71号
聴覚障害、平衡機能障害
請求人の裁決請求日における聴覚障害、平衡機能障害による障害の状態は、国年令別表に定める2級に該当する程度と認められるため、障害基礎年金を支給しないとした原処分は取り消し。 (平成18年12月22日裁決 福岡)

平成17年(国)第229号
総動脈幹遺残
総動脈幹遺残について、一般状態区分表は「ウ」で、予後不良となっていること等が明らかであり、これらの点を勘案するならば、請求人の障害の状態は、2級の程度である、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度に該当するものと認めるのが相当であるから、原処分は妥当でなく、取り消さなければならない。 (平成18年11月30日裁決 埼玉)

平成18年(国)第2号
両眼瞳孔散大
請求人の閉塞隅角緑内障による裁決請求日における障害の状態は、国年令別表に定める2級の程度に該当すると認められるので、原処分は妥当でなく、取り消し。 (平成18年10月31日裁決 福岡)

[その他]

平成16年(国)第139号
覚醒剤精神症
国年法第69条を適用するためには、覚醒剤施用により故意に障害を発生させるという意思の存在が積極的に証明されなければならないから、本件に同条を適用することはできず、障害の原因となった「覚醒剤精神病」が犯罪行為によるものであることを理由として、請求人に対し障害基礎年金を支給しないとした原処分は取り消し。 (平成18年1月31日裁決 千葉)

平成18年(国)第10号
統合失調症
保険者は、請求人が統合失調症の初診日の前日において保険料納付要件を満たしていないとして障害基礎年金を支給しない旨の処分をしたが、本件は保険者の適切でない事務執行のために保険料納付の時期が遅れたものであると認められることから、前記処分が信義誠実の原則からしても許容されるものではなく、同日において保険料納付要件に係る被保険者期間の保険料が納付されていた、とみなすことが相当であり、原処分を取り消す。 (平成18年11月30日裁決 広島)